接触による皮膚のトラブル
日常生活の中で、私たちの皮膚はさまざまな物質に接触しています。
その中には皮膚に刺激を与えたり、かぶれを引き起こしたりするものも含まれています。
化粧品や金属など、身近な物質が皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
接触による皮膚トラブルとは
接触による皮膚トラブルとは、特定の物質が皮膚に触れることでかぶれや炎症を引き起こす状態を指します。
これらのトラブルは「接触性皮膚炎」として知られ、主に以下の2種類に分類されます。
刺激性接触皮膚炎
刺激性物質が皮膚に直接作用し、炎症を引き起こすものです。
例えば、強い洗剤やアルコールなどが原因となることがあります。
アレルギー性接触皮膚炎
物質に対するアレルギー反応が原因で発症するものです。
金属や化粧品の成分がアレルゲンとなることがあります。
化粧品によるかぶれ
化粧品は肌を美しく整えるために使用されますが、一部の成分が肌に合わず、かぶれや炎症を引き起こすことがあります。特に敏感肌の方は注意が必要です。
主な原因
防腐剤
化粧品を長持ちさせるために使用される防腐剤は、敏感肌に刺激を与えることがあります。
香料
香りを付けるために使用される成分がアレルギー反応を引き起こす場合があります。
着色料
一部の人工的な着色料は肌への刺激となることがあります。
化粧品のパッチテスト *予約制です
1) 肌につける物全てご持参ください。
例)化粧水、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、日焼け止めクリーム、洗顔石鹸、 クレンジング、ボディソープ、シャンプー、リンス、ムース、スプレー、歯磨き粉、マウスウオッシュなど
2) 2日後(48時間後)に判定します。
テープの赤みが消えてからの判定になります。
テープの赤みが消えるのに、約30分以上かかります。
お時間に余裕を持って来院してください。
3) 注意事項
施行部位は判定日まで、濡らさない事。
テープが剥がれる場合は包帯で固定し、出来るだけ触らない事。
判定前に、施行部位の痒みが強ければ、来院してください。
お時間に余裕を持って来院してください。
金属によるかぶれ
アクセサリーや時計の金属部分が原因で皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
これは「金属アレルギー」と呼ばれ、特定の金属に対するアレルギー反応が原因です。
主な原因
ニッケル
アクセサリーや時計に使われることが多い金属で、アレルギー反応を引き起こしやすいです。
コバルト
一部の金属製品や医療機器に含まれることがあります。
クロム
革製品や工具などに使用されることがあり、アレルギーの原因となる場合があります。
金属パッチテスト *予約制
1) パッチテスト試薬金属 下記の15種類から選択してください。
例)金属ネックレス、イヤリング、ブレスレット、金属時計など
歯科金属が不明の場合は、かかりつけ歯科でご相談してください。
2) 左上腕に試薬を貼り、2日後(48時間後)に判定します。
テープの赤みが消えてからの判定になります。
テープの赤みが消えるのに、約30分以上かかります。
お時間に余裕を持って来院してください。
◇パッチテスト試薬金属◇(15品目 各1本)
パッチテスト試薬金属 塩化アルミニウム2%
パッチテスト試薬金属 塩化コバルト 2%
パッチテスト試薬金属 塩化第二スズ 1%
パッチテスト試薬金属 塩化第二鉄 2%
パッチテスト試薬金属 塩化白金酸 0.5%
パッチテスト試薬金属 塩化パラジウム 1%
パッチテスト試薬金属 塩化マンガン 2%
パッチテスト試薬金属 三塩化インジウム 1%
パッチテスト試薬金属 四塩化イリジウム 1%
パッチテスト試薬金属 臭化銀 2%
パッチテスト試薬金属 重クロム酸カリウム 0.5%
パッチテスト試薬金属 硫酸ニッケル 5%
パッチテスト試薬金属 塩化亜鉛 2%
パッチテスト試薬金属 塩化金酸 0.2%
パッチテスト試薬金属 硫酸銅 1%
3) 注意事項
施行部位は判定日まで、濡らさない事
テープが剥がれる場合は包帯で固定し、出来るだけ触らない事
判定前に、施行部位の痒みが強ければ、来院してください。
お時間に余裕を持って来院してください。
接触性皮膚炎の症状
接触性皮膚炎の症状は以下のようなものが一般的です。
これらの症状が現れた場合は、早めに皮膚科専門医に相談することが重要です。
赤みや腫れ
痒み
水疱やただれ
乾燥やひび割れ
接触性皮膚炎の治療方法
接触性皮膚炎の治療は原因物質を特定し、それを避けることから始まります。刺激性・アレルギー性にかかわらず、炎症やかゆみを抑えるための治療方法です。
外用
ステロイド外用薬
内服
抗ヒスタミン剤
抗アレルギー剤
ステロイド
注射
抗ヒスタミン剤
抗アレルギー剤
ステロイド
日常生活でできる予防策
皮膚トラブルを防ぐためには、日常生活で以下のような予防策を心掛けましょう。
適切なスキンケア
肌に優しい洗浄剤や保湿剤を使用し、過度な洗浄は避けてください。
刺激物質との接触を避ける
自分の肌に合わない化粧品や金属製品は使用しないよう注意しましょう。
手袋や保護具の使用
家事や仕事で刺激物質に触れる場合は、手袋などで肌を守りましょう。