そのほかの皮膚トラブル
皮膚は私たちの体を外部環境から守る重要な役割を果たしていますが、日々の生活の中でさまざまなトラブルが発生することがあります。
よくある皮膚のトラブルについて、その特徴、原因、治療法を詳しく解説します。
円形脱毛症

円形脱毛症は、突然髪の毛が円形または楕円形に抜け落ちる自己免疫疾患です。
頭皮だけでなく、眉毛や体毛にも影響を及ぼすことがあります。
年齢や性別を問わず発症する可能性があり、特にストレスが引き金となる場合が多いとされています。
主な症状
円形または楕円形の脱毛斑
頭皮や体毛が局所的に抜け落ちる。
痛みやかゆみは通常ない
ほとんどの場合、脱毛部分に痛みやかゆみはありません。
進行の仕方は個人差がある
軽度の場合は自然治癒することもありますが、重度の場合は広範囲に広がることがあります。
原因
円形脱毛症の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
自己免疫反応
免疫系が誤って毛包を攻撃することによって発症。
遺伝的要因
家族歴がある場合、発症するリスクが高まる。
アトピー素因
40%がアトピー素因を持っているといわれている。
ストレス
精神的なストレスが引き金となることがある。
治療方法
局所処置
液体窒素療法
内服
グリチロン
セファランチン
抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬
漢方薬 など
外用
ステロイド
カルプロニウム塩化物 など
日常生活での注意点
ストレス管理
リラクゼーションや趣味を楽しむことで精神的負担を軽減。
バランスの取れた食事
栄養豊富な食事で体全体の健康をサポート。
適切なヘアケア
刺激の少ないシャンプーを使用し、頭皮を清潔に保つ。
尋常性乾癬

尋常性乾癬は、皮膚細胞が過剰に増殖することで赤い発疹や銀白色の鱗屑(フケ状のもの)が形成される慢性炎症性疾患です。
感染症ではないため、人に伝染することはありません。
全身どこにでも発生しますが、特に肘、膝、頭皮などが影響を受けやすいです。
主な症状
赤い発疹
境界がはっきりした赤い斑点。
銀白色の鱗屑
発疹部分にフケ状の皮膚片が見られる。
かゆみや痛み
場合によってはかゆみや痛みを伴うことがあります。
原因
尋常性乾癬もまた自己免疫疾患とされており、以下の要因が関与しています。
免疫系の異常
免疫系が皮膚細胞を過剰に刺激し、増殖を促す。
遺伝的要因
家族歴がある場合、リスクが高まる。
環境要因
ストレス、感染症、薬剤などが悪化要因となる。
治療方法
尋常性乾癬は完全に治癒することは難しいですが、適切な治療によって症状をコントロールすることが可能です。
外用薬
ステロイド剤やビタミンD誘導体を使用して炎症を抑える。
光線療法
紫外線を利用して皮膚細胞の増殖を抑制。
内服薬
免疫抑制剤や漢方薬などが使用される場合があります。
ライフスタイル改善
食事やストレス管理も治療の一環として重要です。
日常生活での注意点
保湿ケア
乾燥を防ぐために保湿剤を定期的に使用。
刺激物を避ける
アルコールや香料など刺激の強い製品は避ける。
紫外線対策
適度な日光浴は効果的ですが、過剰な紫外線暴露は避ける。
漢方専門医によるアプローチ
漢方医学では、皮膚トラブルは体全体のバランスの乱れから生じると考えられています。
院長が漢方専門医である当院では、西洋医学と漢方医学を組み合わせた治療を提供しています。
例えば、円形脱毛症ではストレスによる「気」の滞りを改善し、尋常性乾癬では「血」の巡りを整えることで症状緩和を目指します。
患者一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイド治療を行うことで、より効果的な結果を得られる可能性があります。
円形脱毛症と尋常性乾癬はどちらも自己免疫疾患であり、適切な治療と日常生活での工夫によって症状をコントロールすることが可能です。
当院では皮膚科専門医と漢方専門医による総合的な診療を行い、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案しています。
皮膚トラブルでお悩みの方はぜひご相談ください。健康で美しい肌を取り戻すお手伝いをさせていただきます。